最近、私は自分のことを「ああ、やっぱり漫画が好きかも」と思いました。
このブログを読んでくださっている方からすれば「オマエは今更何を言っているんだ？？」という感じだと思いますが（笑）

でも、ここしばらくはそこに自信がなくなっていたのです。
自分は本当に漫画が好きなのか。胸を張ってそう言えるのか。自問自答していました。

そんな風に自分のことがよくわからなくなっていた理由は、たくさんあると思うのですが、その中の一つは本当に漫画好きと言えるような方達にお会いするようになったから…かもしれません。そういう方たちと比べると、つい自分なんてと思ってしまいます。

また、ありがたいことにお仕事の上でも漫画制作に関わらせていただく機会があったりして、より漫画というメディアのことを自分が理解していく過程の中で「いったい自分は何を持って、このメディアが好きだと自認していたのだろうか」と考えてしまうようにもなりました。

好きな作品はたくさんあるし、好きな作家さんも沢山いるし。壁一面に作った本棚は漫画で埋まっているし、沢山買っている漫画雑誌は気にいったページや読み切り作品を毎号ファイリングして保管しています。それでも私は「『漫画』が好き」なんだろうか。よくわかりませんでした。


昔テレビで見たお笑い芸人さんのコントの中で

A「俺、漫画大好きやで」
B「へ〜 どんな漫画が好きなん？」
A「ドラゴンボール、スラムダンク、ワンピース」
B「ジャンプっ子やな！“漫画好き”ちゃう！ オマエはジャンプが好きなだけや」

みたいなやりとりがあったんですが、ほんとこのやりとりを思い出して「自分もそんなもんじゃないか？ 漫画が好きなんじゃなくて、好きな漫画が好きなだけでしょ」って。そういう気持ちにもなっていたのです。

そこってもしかしたら、重要なことですらないのかもしれませんよね笑。でも、なぜか「自分はどちらなのか」に凄くこだわりたくなってしまっていたんです。最近の私は。


以前、お仕事で関わらせていただいたある方から松本大洋先生の「東京ヒゴロ」という漫画をオススメしていただいて、読みました。漫画制作に関わる人々の物語なのですが、大号泣してしまって。自分にとっても本当に大切な作品になりました。

東京ヒゴロには「漫画が好き」な人間たちが沢山出てきます。私はどっちなんだろうと、考えていました。



…でも、とりあえず。２ヶ月近く散々考えてみた末の結論として。

少なくとも今現在の心境としては、私はやっぱり漫画が好きです。好きな作品が好きなんじゃなくて。漫画ってものが好き。それに関わる方たちが好き。それを生み出そうとする気持ちそのものが好きです。


今回そういう結論に至ったということを、自分自身忘れずにいようと思って、書いてみました。